ブログ説明


早穂理さんは、いのちの森「水輪」を造った塩澤夫妻の娘さんのお名前です。出産時に分娩の医療ミスにより、脳に傷をつけてしまいました。
早穂理さんは歩くことも、話すことも、自分の手で食べることもできませんが、心はみんな解っているようです。そんな早穂理さんの毎日を紹介させて頂きます。
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2016年2月25日木曜日

小さな訪問者

みなさん、こんにちは。

こちら飯綱高原にも、だんだんと春が近づくいてきたようです。
しんと静まり返った雪原の中に、春をしらせる小鳥のさえずりが、小さく聞こえてくるようになりました。
道路の雪もすっかり解けて、すべてを覆い隠していたまっしろな雪の下から、くろぐろとした土が、顔を出しています。

 冬の間、さおりちゃんの生活しているナナカマドのお部屋には、毎日ちいさな訪問者がありました。
さおりちゃんのナナカマドのお部屋の大きな窓の外には、寄り添うように、背の高いナナカマドの木が立っています。
夏の終わりには、いちはやく葉を紅葉させ、冬の間中、赤い小さな実を枝にみのらせています。


 ある日、その赤い実をついばみに、小鳥が、やってきていました。
冬のさむい時期だからか、体がムクムクと羽毛に覆われていて、丸々としているように見えます。
その小鳥は、ナナカマドの部屋のベランダの策にチョコン、ととまって、雪のふぶく中、さおりちゃんのいる部屋の中を不思議そうに眺め、いつまでもそこにとまっていました。
小さなおなかは、小刻みに膨らんだりしぼんだりしており、小さな生命が息づいているのが見て取れました。

 その小鳥は、さおりさんと、おはなしにきているようでした。
その次の日も同じ小鳥が、ベランダへ、やってきました。
しばらくすると、もう一匹べつの種類のことりもやってきました。
しかし、縄張りがあるのか、すぐに、いなくなってしまいました。

 寒い雪の日に、小鳥さんたちはどこであたたまっているのでしょう。
どのように、ふぶく雪や風をよけて、すごしているのでしょうか。
さおりさんも、とても心配になったのではないかと思いました。

もうすぐ春です。いのちが芽吹き、花咲く春が来ます。

その春を心待ちにして、さおりさんも、この冬の終わりの寒さにも、耐え、乗り越えて行きたいと思います。