ブログ説明


早穂理さんは、いのちの森「水輪」を造った塩澤夫妻の娘さんのお名前です。出産時に分娩の医療ミスにより、脳に傷をつけてしまいました。
早穂理さんは歩くことも、話すことも、自分の手で食べることもできませんが、心はみんな解っているようです。そんな早穂理さんの毎日を紹介させて頂きます。
ご感想・お問合せは、メール suirin@suirin.com までお願いいたします。

2013年12月13日金曜日

ひとりひとりがナイチンゲール

こんにちは。昨日は、さおり庵で、福祉の原点は愛だということを知る授業がなされました。

まず、さおりちゃんがどんなことを感じているかを知るために、自分で紙おむつをつけて一日過ごしました。排泄も排尿も、その中にしました。
それで分かったことは、紙おむつはとても蒸れるということです。それに紙ががさがさして、肌が擦れていたいということ。さおりちゃんが毎日どんなふうに感じて生きているか。

もう一つは、さおりちゃんは、毎食、鼻からのチューブでご飯を食べています。一日に2回、何時間ものあいだお鼻のチューブをつけているのですが、それがどんな感じなのか、みんなで鼻チューブを実際に自分に入れてみる実習をしました。
最初、みどり先生がご自分で鼻に入れて見せてくれました。みんな、なかなかすんなりいれられず、げほげほとむせたり、もどしそうになる人もいました。

その時に、みどり先生が、これは、自分の中の愛を知るための実習です。なんのためにやるかといったら、私たちがこの世に生かされているのなら、愛を知るためにいかされているのかもしれないとおもうのです。自分自分と固執する意識を捨てて、おそれを手放してみなさい。と背中を押してくださいました。その声を聴いていると安心してすうーっとチューブを入れることができました。

鼻チューブをつけてみると、鼻の奥やのどの奥が擦れて痛かったり、異物感があって、つばをのみこみずらかったり、目の神経が刺激されて涙が出てきたり、みんなそれぞれ体験してみて、さおりさんの大変さが少しわかりました。
そのままお水を飲んでみましたが、不快なかんじがしました。
チューブを鼻からぶらぶらとさせているのも、不快で、動かしてほしくないと思いました。毎日のさおりちゃんのお食事で、無造作に鼻チューブを扱っていたことを反省し、もっと注意深く接しようと思いました。

 みどりせんせいは、さおりちゃんの入院中、さおりちゃんがお鼻のチューブをつける前に、ご自分で左右の鼻を一週間ずつ鼻チューブをつけてすごし、話すことのできないさおりちゃんの身になって試してみたそうです。

 体験しないとわからない、なかなか体験することのできない、貴重な、いのちのじゅぎょうでした。

 
担当;佐藤りえ