ブログ説明


早穂理さんは、いのちの森「水輪」を造った塩澤夫妻の娘さんのお名前です。出産時に分娩の医療ミスにより、脳に傷をつけてしまいました。
早穂理さんは歩くことも、話すことも、自分の手で食べることもできませんが、心はみんな解っているようです。そんな早穂理さんの毎日を紹介させて頂きます。
ご感想・お問合せは、メール suirin@suirin.com までお願いいたします。

2018年4月13日金曜日

2018/04/13 さおりちゃんは毎日どんな事を感じているのだろう

さおりちゃんは毎日どんなことを感じているのだろう…。
私たちが当たり前に出来て、さおりちゃんには出来ないことがたくさんあります。
私たちは、その苦しさ、そしてそのことを当たり前に出来ているありがたさをかみしめて、さおりちゃんの気持ちを常に考えてケアをさせていただいています。

さおりちゃんは気管切開をしています。
首にはカニューレという器具とレティナという器具を使い分けて付けています。
カニューレは、付けていることによって自動呼吸ができる器具です。
寝ている時などに着けます。
レティナは器具から吸って鼻から吐くという器具です。
レティナがなければさおりちゃんは声を出すことができません。
気管切開をする時に、みどり先生と研先生は、さおりちゃんは声を失うんだととてもショックを受けたそうです。
でもレティナという器具のおかげでさおりちゃんは今も声を出すことができます。

このカニューレとレティナを使って私たちは呼吸してみました。
カニューレとレティナ、どっちの方が楽かは意見が分かれたのですが、どちらにも共通なのはとても苦しいということ。
小さい穴でしか息を吸えない苦しさで、長くつけていることはできませんでした。
さおりちゃんは呼吸するのがこんなに苦しいのか、と驚き、私たちが普段あたりまえに呼吸できていることってとても幸せなんだと思いました。

ケアをしているスタッフは鼻チューブとオムツの体験もしたと言っていました。

鼻チューブは丸2日間付けており、学んだことは
ずっと付けているのは痛いから、さおりちゃんも鼻チューブを付けている時間はなるべく短い時間にしてあげてい、鼻チューブを付けていると喉が痛くて食べ物も水も飲みこむのが痛くてできない、鼻チューブから冷たい水を入れると胃に入ったときに冷たさが感じられて痛い、だからさおりちゃんにも冷たい水はだめだ(さおりちゃんの水はその都度冷たい水を鍋で10秒くらい温めるか、湯せんしています)
鼻チューブをとる時にいきなり速く抜いたら痛くて涙が出た、だから鼻チューブを抜くときはゆっくり抜いてあげなきゃいけないということです。
毎日3食鼻チューブを通してるさおりちゃんは本当に強いなあ、えらいなあと思ったと言っていました。

オムツをして過ごした時は排泄した後、そのまま料理作りを行なおうとしたら、下半身の気持ち悪さに耐えられなくてすぐにオムツを変えた、だからさおりちゃんもオムツはすぐに取り換えてあげないと、すごく嫌な気持ちなんだな、さおりちゃんは変えてほしくてもそれを言葉で伝えることができないから、私たちがちゃんと気付いてあげないといけない、と改めて思ったと言っていました。

ケアをしていても、本人の苦しさがわからなければ、本人の気持ちがわからない。
私たちは、さおりちゃんができなくて苦しいことを、さおりちゃんの手になり足になりやってあげたい。
さおりちゃんの体験をするということは、ケアの私たちにとって、とても重要だと思います。
さおりちゃんが何を訴えているのかを、すぐにキャッチできるように、これからもさおりちゃんの心の声に耳を傾けていきたいと思います。