ブログ説明


早穂理さんは、いのちの森「水輪」を造った塩澤夫妻の娘さんのお名前です。出産時に分娩の医療ミスにより、脳に傷をつけてしまいました。
早穂理さんは歩くことも、話すことも、自分の手で食べることもできませんが、心はみんな解っているようです。そんな早穂理さんの毎日を紹介させて頂きます。
ご感想・お問合せは、メール suirin@suirin.com までお願いいたします。

2013年9月30日月曜日

ニコニコちゃのChan


皆様、こんにちは。今日は、スタッフの鷲尾さんが作った詩についてご紹介します。
‘ニコニコちゃのchan
あなたの気づきが大地に種をうずめて
小さな芽 はえたら すべてのいのちが
輝くパスポート 心の冒険はじまる

いつもニコニコ ちゃのCHAN ちゃのCHAN
 いのちの森のみんなを癒してる
大好きちゃのCHAN ちゃのCHAN
もしも会えたなら すてきな幸せが
あなたに来るわ

あなたの となりに泣いてる
誰かがいたら
あなたの雨傘 さしてあげましょ
つぼみが開くよに
心の扉あきます

この詩をとなりのととろの曲に乗せて歌うと、ちゃのちゃんはとても嬉しそうにして聞いています。
一緒にららら~と声を出して歌ってくれたりもします。
みなさんも、さおりちゃんの笑顔を思い浮かべてうたってみてください。
鷲尾さんは、さおりさんのことが大好きで、厨房のしごとのあいまにも、よくさおりちゃんの顔をのぞきに来てくれます。
どんなに忙しくても、ちゃのちゃんのかおをみると
こころがチューニングされて落ち着けるそうです。
さおりちゃんは、いのちの森のみんなを癒し、チューニングする役割をしてくれています。


                            担当さとうりえ

2013年9月29日日曜日

大きな家族


皆さま、こんにちは。昨日は、早織理庵で新しい実習生の歓迎会が開かれました。
塩沢先生夫妻、さおりさんを筆頭に、スタッフ、実習生がみな勢ぞろいしました。
さおり庵のリビングいっぱいにキュウキュウになって、皆があつまりました。共に学んでいる者同士、ひとつの大きな家族のようです。
 みどり先生は私たちに対して「あなたが、もしさおりだったら私はどうするだろうと考える」と、よくおっしゃいます。
あなたたちには、動く手があるし、歩ける足もある。伝えようと思えばあいてにつたえられると。
さおりのことを思えば、あなたたちは何でもできる、だから、今、このときを真剣に生きなさい、と。
 さおりさんは、よく私たちに、笑顔をみせてくれます。本当に、見ているとこちらもうれしくなるような、笑顔ができるのは、さおりさんが今を精いっぱい生きているからだと思います。さおりさんに、はじないような生き方をしていきたいです。

2013年9月27日金曜日

ちゃのまるちゃん



こんにちは。今日は、さおりちゃんの愛称についてお話しさせていただきます。
さおりちゃんはたくさんの名前をもっています。
たくさんの愛称をもっている子は幸せな子だと研先生はおっしゃいますが、研先生自身なずける名人です。
 たとえば‘ちゃの丸ちゃん’の由来は、おばあちゃんが‘ちゃおりちゃん’とさおりちゃんをよんでいたところからきています。
他にも、大きなお口で歯ブラシをしているちゃのちゃんは、ケロパモス。
元気に叫んで、かわいい声を出しているときは、コキョウリュウ(ちいさな恐竜)
ごろんとねころんで、くつろいでいるときは、でぶらごんた。
夜のサイクルで活動しているときは、よる丸、日中活動しているときは‘ひる丸’
などなど、、、、ほかにも楽しい名前がいろいろあります。
 さおりちゃんは、いろんな名前をたくさんもっていて、ほんとうに皆から愛されています。

2013年9月26日木曜日

でぶ天ちゃん


こんにちは。今日はいつもさおりさんのそばにいる、天使のお人形、通称‘でぶ天ちゃん’についてお伝えします。でぶ天ちゃんはいつもさおりさんの傍にいて守ってくれている、天使のお人形さんです。さおりさんは、このお人形さんのことがとても気に入っているようです。(もちろん命名されたのは研先生です。)
私たちも、とくにデブ天ちゃんのうしろすがた、おしりのあたりがちゃのちゃんに似ていてとてもかわいいと思っています。
 でぶ天ちゃんは言います。
さおりさんは、東北の子供たちのことをとても心配している、と。
さおりさんは、自分の体のことだけでも大変だけれど
子供たちのことを、とても身近に感じて思いを寄せています。
このことは、水輪へ来たあるゲストの方が教えて下さいました。
遠い飯綱から、ちゃのちゃんはいつも皆様の幸せを祈っています。

担当:佐藤理恵

2013年9月24日火曜日

いのちの重さ


みなさん、こんにちは。
今日は、さおりさんのことをお話しさせていただきます。
さおりさんは、生まれるときに重度の脳しょうがいを背負って生まれてきました。
さおりさんは、生まれる前にこのからだを自分で選んで、生まれてきたそうです。
話せない、歩けない、自分で食べることができない、排泄することができないという、この体に生れるということはどういうことでしょうか。
生きていること自体が修行のようなものではないでしょうか。
おかあさん、おなかすいた。背中がかゆいの。おなかいたい。
それら、ちょっとしたことを言葉で伝えることができないのです。

まわりにいる私たちが、心の目や耳を全開にしていないと、さおりさんの声にならない心の声はうけとれません。
さおりさんの心の声を見逃さないよう、今にしっかりと生きていくこと、心をまっさらにして、さおりさんに寄り添うことが、必要です。ともすると、さおりさんの小さな声は見逃されてしまいます。さおりさんは今、なんていっているんだろう。おなかが張って痛いのかな。それとも背中が痛いのだろうか。と、さおりさんの身になって考えることで、福祉の心を学ばせていただいています。
 さおりさんは、6年前の入院のときに、肺炎にかかり重篤な状態になって生死の境をさまよいました。
治療のために、大量のステロイド剤とモルヒネを投与され、昏睡状態になったさおりさんは、約一か月間ねむりつづけましたが、たくさんの方々の祈りによって奇跡的な回復をしました。
虚空へ帰るところを、さおりさんは私たちの学びのために帰ってきてくれたのかもしれません。
私はいつも入院のときのことを思い出し、死の淵からかえってきてくれたさおりさんの命の重さを思います。

担当:佐藤理恵

2013年9月23日月曜日

夜のさおり


こんにちは。今日は、夜のさおりさんについてお話します。 
さおりさんは、お月様と同じサイクルで生活しています。
なので、一日が25時間。毎日一時間ずつ生活サイクルがずれていきます。
よるおそく皆が寝静まった頃、おはようと起きだして、夜中の2時、3時に朝食を食べる日もあります。
そういう日も研先生、みどり先生が交代してさおりさんにつきそっています。
今現在、さおりさんはお食事をお鼻のチューブからとっています。
昨年までは、真夜中のお食事は研先生が担当していました。
研先生は昼間動き回ってどんなに疲れていても、さおりさんのために夜中おきだしてごはんを食べさせていらっしゃいました。
さおりさんは、自分で噛んで食べることができないので、先生が咀嚼して、またはバーミックスで食べ物を細かくしたものをスプーンへのせて食べさせます。研先生はさおりさんのために、少しでも栄養のあるおいしい食事を食べさせたいと思い料理をつくられてきました。それが水輪の料理の原点です。
ああしてほしい、これが食べたいということができない娘に対して、少しでも何かやってあげたいという思いは、夜のさおりさんケアに入るととても強く感じさせていただくことです。

担当:佐藤理恵