今日はさおりちゃんの歯磨きについてご紹介します。
さおりちゃんの歯はとても綺麗です。
てんかん薬である、抗痙攣薬を打つと多くの人が歯茎が膨れるのですが、
さおりちゃんは1歳からずっと磨いていて歯茎もとても綺麗だと褒められます。
毎日毎日1回も欠かさず43年間磨いてきました。
そのせいか、口の中はとてもいい状態です。
さおりちゃんは朝・昼・晩の3食のご飯前に必ず歯磨きをします。
さおりちゃんは口から食事をすることはできませんが、必ず3食歯磨きをします。
何故かというと、普通、人は食べ物を見たり、
匂いを嗅いだりすることで自然と唾液が出ます。
唾液が出ることで胃が消化を助けます。
しかし、さおりちゃんのように自分でものを食べれない子は唾液が出てきません。
そのまま鼻チューブを入れて食べ物を入れると、唾液がないために、
食べ物が逆流し、それが肺に落ちる可能性があります。
食べ物が肺に落ちて肺炎になってしまうと大変です。
そのために歯磨きをしてあげて、歯に刺激を与えることで唾液を出させてあげるのです。
このことは、さおりちゃんの歯を見てくれる口腔ケアの方に教わりました。
ですが、私たちは、口腔ケアの方にその事を教わる前に、
3食さおりちゃんに歯磨きをしていたのです。
さおりちゃんが虫歯になったり、口臭を防ぐために歯磨きをしていました。
歯磨きをしている時もさおりちゃんのことを1番に思って行っています。
さおりちゃんの歯磨きのやり方は、
綺麗に洗った歯磨き専用のカップを使用前の歯ブラシを入れる用、
使用後の歯ブラシを入れる用、
カテーテルを入れる用の3つ・波動水(さおりちゃんの場合)・
口用スポイトを用意します。
歯ブラシ前・後入れる用には湯冷ましを歯ブラシがつかるくらいまで入れます。
なぜ湯冷ましかというと、水道管を通ってきた水道水をやかんで沸騰させることによって、
水道水より、更に消毒されたものを使うためです。
そしてさおりちゃんに「歯磨きするよ~」と話しかけ、
そっと口を指で開けて歯茎を撫でるようにマッサージします。
手の菌が口に入らないよう、手袋をして行います。
歯茎のマッサージのあと、歯を優しく、しっかり磨きます。
歯の裏側なども磨きます。
私たちは普通の歯ブラシの他にもう一本手術用の柔らかい歯ブラシを使っています。
丁寧に歯を磨いた後はすすぎます。
さおりちゃんは研先生が舌ブラシを買ってきてくださったので舌も磨いています。
うがいができないために、口用スポイトで波動水を口に入れ、
口から水がこぼれないよう吸引機でカテーテルでその水を吸います。
この時、水が喉に入るのを防ぐために喉にはタオルを敷いておきます。
最後に口をタオルで拭いたら終わりです。
歯磨きはさおりちゃんも最初は嫌がっていました。
嫌がっているのに無理やりやったり強くして傷つけたりしてしまうと
それがトラウマでさらに歯磨きを嫌になってしまいます。
常にさおりちゃんのことを考えて、反応を見て、話しかけながら行うことで、
今は前に比べてだいぶ嫌がらなくなったとケアのスタッフの1人が言っていました。
4月の半ばに歯医者さんがさおりちゃんの歯を見に来てくれます。