11月27日
こんにちは。今日は、さおりちゃんの言葉についてお話します。さおりちゃんは、生まれた時の傷で、頭蓋内出血を起こして、ハンディを負ってきたため、言葉を話せません。しかし、その代わりに、様々な声色で感情を表現しています。例えば、ごきげんなときには、だららららら~、や、おえおえおえ~、りりりり~、と大きな声で、ごきげんだよー、と教えてくれます。先日は、ちょっと変り種で、「あダダダダ、ら~」、の「ら~」にアクセントがついて歌っていました。2年前くらいには、「えおい~」という3語のことばを、おいしい、というようにつかっていたときもあります。
これは、みどり先生から聞いたお話ですが、さおりちゃんは「ママ~」という言葉を、小さいときに、たった一度だけ言ったそうです。それ以来さおりちゃんのくちからその言葉を聞いていないので、ときどき「ママって言ってね、ママって。」といいながら練習するそうです。私も、こっそり「さおりちゃん、ママ、ママだよ。いってごらん。」と、ときどき練習します。さおりちゃんは、じっと私の言葉を聞いて考えているようですが、ひかえめに「あ、あ~」といいます。さおりちゃんは、本当は心の中ではたくさん、ママ~といっているのかもしれませんね。
でも、いつかきっと言ってくれるかもしれないと思って、さおりちゃんといつも「ママ~、ママ~!」と練習していきます。さおりちゃんのこころと体には、きっといつまでも「ママー!」という音が響いていることでしょう。
担当、佐藤りえ